割れ窓理論

割れ窓理論とは?

皆さんは「割れ窓理論」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?「ウィキペディア フリー百科事典」から引用すると、

「割れ窓理論」とは、軽微な犯罪も徹底的に取り締まることで、凶悪犯罪を含めた犯罪を抑止できるとする環境犯罪学上の理論。アメリカの犯罪学者ジョージ・ケリングが考案した。「建物の窓が壊れているのを放置すると、誰も注意を払っていないという象徴になり、やがて他の窓もまもなく全て壊される」との考え方からこの名がある。

と説明がされています。

学級での「割れ窓理論」

さて、「割れ窓理論」環境犯罪学上の理論だということはわかりましたが、これが学級経営とどう関係するのでしょうか?私が学級経営で行っていることを2つお伝えします。

日々の心がけ

ご自身の教室の廊下を想像してください。上履き袋や体育着などが落ちっぱなしになっていないでしょうか。教室の中はどうでしょう。画鋲が外れた掲示物、床に落ちっぱなしの無記名のプリントなどそのままになってはいないでしょうか。あげれば切りがありませんが、私は紹介したようなものを「教室の割れ窓」と呼んでいます。小さいことではありますが、上のようなことを放っておくとだんだんと学級が荒れてくる一因になると考えています。

そこで私は、「教室の割れ窓」を見逃さないように日々心掛けています。具体的に何をするのでしょうか?簡単です。教師が介入して、どんどん割れ窓を直してしまいます。もっと具体的に言 うと、子どもが上がってくる前の教室のほうきがけ、廊下に落ちている物は即時声掛け、破れている学級文庫の補修などなどです。一見めんどうに思えるかもしれませんが、溜まっていく前に毎日少しずつ行うことで教室の環境が整っていきます。教師自身もきれいな教室だと気持ちがいいのでおすすめです。

児童への声掛け

とはいっても最終的なゴールは、子どもたちが自分で気づいて「教室の割れ窓」を減らしていけるようになることです。そこで私は子どもたちにも「割れ窓理論」を紹介するようにしています。具体的な時期としては、6月、11月、2月などの学級が荒れやすいといわれている時期の序盤に子どもたちに紹介します。ここで意識していることは教師がもっている「教室の割れ窓」のイメージを児童と共有することです。割れ窓理論をただ紹介しただけでは、子どもたちは何をすればいいのか理解できません。そこで割れ窓理論を紹介した後に、「教室にも実は割れ窓があるんだ」というように問いかけて気づきを促します。私は自作のパワポスライドを使用して視覚的にわかりやすいようにしています。「教室の割れ窓を直すことは、みんなも自分も気持ちよく過ごせることにつながる」ことを確認します。

さて、紹介して終わりにはしません。勘のいいあなたなら気が付いているかもしれませんね。そうです、児童の姿の価値付けを行っています。干しているぞうきんを整えている子、教室のごみを拾ってくれている子など「教室の割れ窓」を直そうとしてくれている児童の姿を見つけ、全体の場で価値付けを行っていきます。そうすることで、少しずつ少しずつ児童の中にも「教室の割れ窓」を意識できる子が増えていきます。

まとめ

いかがだったでしょうか。授業や生徒指導などは、スキルや経験が多く必要になる部分だと思います。しかし、環境整備は始めようと思えば明日からでもすぐに始められます。だから、こそ若手の先生にこそ「割れ窓理論」はおすすめです。学級の荒れの防止に児童と一緒に取り組んでみてはいかがでしょうか?

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ここまでお読みいただきありがとうございました。

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