今年度も始まりました。4月は集団の混沌・混乱期。子どもたちのけんかや、先生へのチクリもまだまだ多いです。そんな中で、自分がどんな指導をしているのか。まとめてみました。
大前提「けんかはしてもいい」
子どもたちに伝えることとして、「けんははしてもいい」ということを毎年伝えています。けんかすることは悪いことではありません。けんかをすることを通して、仲を深めたり、お互いに上手な伝え方を身に付けていったりしてほしいからです。ただ罵り合うような質の低いけんかから、お互いに考えを伝え合う質の高いけんかを目指していこうということも補足はします。「けんははしてもいい」と子どもたちに伝えておくことで、自分自身が子どものけんかに対してイライラしづらくなるということもあります。
子どもから訴えがあったら
「○○君にバカって言われました。」「○○さんがこんなことしてきました。」と子どもたちが担任に訴えてきたとき、嫌だった気持ちを受け止めたうえで2つのことを子どもたちに投げ返します。1つ目は「あなたはそのとき相手になんて伝えたの?」2つ目は「あなたはどうしたいの?」ということです。
1つ目については、『自分たちで解決する力』をつけるためです。話をよく聞くと、だいたい3パターンに分かれます。「何も言わなかったパターン」「自分も悪口を言い返しているパターン」「やめて等伝えたけど、やめてもらえなかったパターン」です。最初の2つのパターンの状態で教員がすぐに解決に割り込んでいては、子どもたちが自分たちでトラブルを解決する力はなかなか身に付きません。なので、「そんな時は、まず自分でこんなことが言えたらもっといいね」などと訴えてきた側に対処法を教えます。その上で、正しく「やめて」などを伝えても解決しなかった場合は、最期の砦として教員が入るようにしています。
ただ、教員が入る目的はトラブルを丸く収めることではありません。子ども同士が納得した上で、これからどうしていくか前向きに考えていける状態にしてあげることが大切だと思います。なので、教員がトラブルに介入する前に、訴えてきた子に「あなたはどうしたいの?」と落としどころを聴くようにしています。訴えてきた子は、先生に相手を叱ってほしいばかりに思考がいっていることが多いです。そこですぐに教師が叱りにいっては「先生にチクれば、相手に痛い思いを与えられる」という思考が子どもに働いてしまいます。なので、先生にトラブルを知って見守ってほしい、相手と話し合いたい、嫌な気持ちを伝えたい、一人じゃ話し合いが不安だから先生に入ってほしいなど、いくつか選択肢を示して選ばせてあげます。そのうえで、その子の気持ちに寄り添いながらつぎのアプローチに入っていきます。
次回、子ども同士の話し合いについて、詳しく書いていこうと思います。ここまで読んでくださり、ありがとうございました。